今日は財務・会計のR3第23問について解説します。
オプションに関する記述として、最も適切なものはどれか。
〔解答群〕
ア 他の条件を一定とすれば、権利行使価格が高いほどコール・オプションの価値は高くなる。
イ 他の条件を一定とすれば、行使までの期間が短いほどコール・オプションの価値は高くなる。
ウ プット・オプションを購入した場合、権利行使価格を大きく超えて原資産価格が上昇しても、損失の額はプレミアムに限定される。
エ プット・オプションを売却した場合、権利行使価格を大きく下回って原資産価格が下落しても、損失の額はプレミアムに限定される。
解説
オプションに関する問題です。
一次試験だけでなく、二次試験にも頻繁に出題される論点です。本問題だけでなく、過去問で同じ論点の問題を続けて解いておくと、出題の傾向把握と対策が可能となります。本問題を通じてこの論点を抑えておくと、二次試験や来年の一次試験対策にもなります。
オプション取引とは、ある資産を将来の特定の期日に特定の価格で売買する権利の取引のことで、モノではなく権利を売り買いするものです。コールオプションとプットオプションがあり、またそれぞれにオプションの売りと買いのポジションがあります。本試験では、買いのポジションで問われることが多いです。
コールオプションとは、ある資産を将来の特定の期日に特定の価格で買うことができる権利のことです。オプションプレミアム(=権利の購入代金)を支払うことで、将来ある資産が権利行使価格より値上がりした場合でも、権利行使価格で購入することができる権利です。
プットオプションとは、ある資産を将来の特定の期日に特定の価格で売ることができる権利のことです。オプションプレミアム(=権利の購入代金)を支払うことで、もし将来ある資産が権利行使価格より値下がりした場合でも、権利行使価格で売却することができる権利です。
それでは早速各選択肢を見ていきましょう。
選択肢ア 他の条件を一定とすれば、権利行使価格が「低い」ほどコール・オプションの価値は高くなります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢イ 他の条件を一定とすれば、行使までの期間が「長い」ほどコール・オプションの価値は高くなります。
よって、この選択肢は×です。
選択肢ウ プット・オプションを購入した場合、権利行使価格を大きく超えて原資産価格が上昇しても、損失の額はプレミアムに限定されますので、その通りです。
よって、この選択肢は〇です。
選択肢エ プット・オプションを売却した場合、権利行使価格を大きく下回って原資産価格が下落すると、権利行使価格で売却することができますが、損失額を限定するわけではありません。
よって、この選択肢は×です。
以上から正解は選択肢ウとなります。